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BO59 fireplace chair in teak by Finn Juhl, Sideboard in teak with seagrass sliding doors by Florence Knoll, Model JH 503 in oak by Hans J. Wegner, High back Eva chair by Bruno Mathsson,Dining table with 2 extensions in rosewood by Johannes Andersen, GE236 in oak by Hans J. Wegner, Dining chair in rosewood by Vestervig Eriksen,BB04 Cabinet secretary desk by Cees Braakman,Rosewood coffee table with black lacquered legs…他
BO59 fireplace chair in teak by Finn Juhl
細く優雅に削り込まれたアームは、さながら彫刻のようである。実際に座ってみると、椅子全体から滲み出る独特の味わいが感じ取れる。この椅子はどうやら時間の進行を緩やかにするらしい。しばらく閉じていた目をゆっくりと開くと、慣れ親しんだ景色がどこか懐かしく感じられ、感情の交差が日常に広がっていく。フィン・ユールの揺るぎない軸が椅子に宿っているのだろう。この椅子ならではの世界観は、間違いなく人生を豊かにしてくれる。(New leather)
Sideboard in teak with seagrass sliding doors by Florence Knoll
1948年に発表されたフローレンス・ノルの名作。(彼女は自ら「Knoll」のカタログに自身のデザインを掲載、夫「ハンス・ノル」と培った世界的モダニズムへの貢献は計り知れず、伝説の人として受け継がれている。)デザインに関する幅広い解釈が作品の隅々に行き渡り、芸術性を高めている。大胆な線とは裏腹に注意深く使い手目線を重んじる機知に富んだフローレンスの傑作といえる。非常に価値のある作品である。
Model JH 503 in oak by Hans J. Wegner
1949年、巨匠Hans J. Wegnerによってデザインされた造形の美「The chair」。J・F・ケネディとリチャード・ニクソンがテレビの討論会で座った椅子というのは、あまりにも有名なエピソード。優雅なフィンガージョイントは揺るぎない姿勢で泰然と構えている。高い職人技術が求められた非凡な曲線、そして妥協とは程遠い超凡な削り込み、秀作になるにはそれだけの理由があるのだと納得の作品である。
High back Eva chair by Bruno Mathsson
ブルーノ・マットソンが1934年にデザインした奇策妙計な椅子。形状に散りばめられた独特の曲線は非常に超越的。離れて見ると、しなやかな曲線美が空気を巻き込み、静かに日常を見据えているように映る。その姿は、とても優雅で芸術的だ。作家の心情が作品に宿り、椅子自らものづくりの楽しみを味わい尽くしているように見える。一風変わった曲線への理解が得られる逸品である。
Dining table with 2 extensions in rosewood by Johannes Andersen
ワイド152センチの美しいダイニングテーブル。ヨハネス・アンダーセンの作品だ。52センチのエクストラリーフが2枚付属している。実用的でありながら一歩踏み込んだ知的さ加減に作家の凄さが感じ取れる。生活を整える醍醐味を教えてくれそうだ。陽光に照らされ浮かび上がるローズウッドの引き締まった杢目、天板から足へと続く品の良い接合美、艶やかに丸みを帯びた天板の形状、魅了される箇所がいくつもある傑作だ。
GE236 in oak by Hans J. Wegner
様々な生活スタイルに適応するウェグナー作品、和洋問わず常識にとらわれることもない。座り心地はもちろん期待通り、いやそれ以上だ。ウェグナーデザインは、人々の暮らしを思いやり、快適な時間を約束してくれる。この作家が生み出したものを生活空間に取り入れると、自分らしさを紡ぎやすく、些細な喜びにも目を向けやすくなる。不思議だが、そういう特徴がある。
Dining chair in rosewood by Vestervig Eriksen
形状と杢目の関係性を配慮しながら木取りに神経を使う職人たち、その息づかいが聞こえてきそうな作品だ。「Vestervig Eriksen」デザインは線が非常に詩情豊か。椅子が放つ奥ゆかしい印象と、使い手の心のあり方を関連付けてみたくなる。光が杢目を照らすとき、椅子は風景の一部となり空間を純化させる。人が座ったとき、椅子は体の一部となり、その心地良さゆえ存在を忘れる。作家のあくなき探究が、目一杯日常に作用する。味のある椅子である。
BB04 Cabinet secretary desk by Cees Braakman
独特の造形美を放つブラークマン作品。素材の良さをじっくり抽出する手腕が見事だ。唯一無二の持ち味を確りと形状に落とし込み、素材の発色を生かしている。デザインに隠された魅力を見つけ出す度に、傑作が傑作と呼ばれる理由を得る。また、ブラークマン作品は使い手との距離感が絶妙だ。単に家具として存在しておらず、あくまでも作品としてそこにいるのだ。作家が信じたゆるがぬデザイン哲学が随所に宿っているからかもしれない。
Rosewood coffee table with black lacquered legs
ものを見る目を持つ作り手の技量と、季節の移り変わりを味方に付けた素材との素晴らしい融合。天板を引き立てるよう脇役に徹した黒塗りの脚がかえって豊かな表情を生んでいるのにお気づきだろうか。それだけではない、両端からスーッと出現するエクストラリーフがこの作品をもっとも押し上げている扇の要であり、使い手の勘所をくすぐる点なのだ。非常に高尚で優雅な作品である。